ペッパーミルが話題になったので、ここで私のペッパーミルをご紹介。
粗挽きの胡椒が料理に使いたくて使いたくて、でも、ミルにも妥協したくなくてしたくなくて、
イメージどおりの理想のペッパーミルを捜し求めて捜し求めて、
そしてこの子と出会ったのが2003年、春のストカーナの旅。
売っていたときの姿を再現してみました。
Arezzoの、あれはたしか広場(「ライフ・イズ・ビューティフル」で有名な)から少し路地に入った、
小さな小さな金物屋のシューウィンドウ。
年季の入った紙の箱、味のある値札、もう一瞬にして虜になった。
これだぁ~! こんなのが欲しかったんだぁ~っ! と。
で、いまだに、この箱も値札も捨てられない。
値札がリラだとイタリアらしくてもっとよかったけど、もうユーロになってしまっていた。
店のオヤジはもちろん英語は喋れない。
私たちが店に入っていった時点で、彼の目はまんまるになっていた。
「な・・・何しに来たんだ?」と言われはしなかったけど、そんな感じ。
観光客が買物をするような店ではなく、物を売るというより、オヤジがそこに座ってるのが仕事、みたいな、日本で言えば昭和初期のレトロな感じ。
挽き加減が裏のネジで調節できるので、私はかなり粗く挽いて使っている。
あんまりかわいいので義妹にも買っていってあげようと思ったのだが、
これはひとつしかないと。
他にもっとこんなのがあるよ、と、樽型のや別のをオヤジは自慢げに出してきてくれたけど、
それは日本ではなかなか見かけないようなものではあったけど、
この子に出会ってしまった後では買う気はせず。
つたないイタリア語でなんとかやりとりをし、念願のペッパーミルを手に入れ、
これでArezzoにも来た甲斐があったというもの。
しかし、
かぶのスープや
じゃがいものリゾットなど、仕上げに入れるときはいいのだが、
下味をつけるときなど、片手が肉の脂でべとべと、なんて時はこのミルは使うのが不便だし、
そういうときはもっと細かく挽いた方がいい。
で、誕生日にリクエストして友人に買ってもらったのがこれ。
よく見かけるやつです。
調理真っ只中でも片手で使えるペッパーミルとソルトミル。
マグネットつきなので換気扇の横にいつも貼り付けていて、置き場所にも困らない優れもの。
ただ挽き加減が調節できないのが玉に瑕。
この後、電動ミルの存在を知ったんだったかな。
でもせっかく頂いたし、別に困ってないので当分これを使わせてもらいましょう。