今でこそ珍しくなくなったこのメーカーのジャム。
私にとってはヨーロッパの思い出。初めて日本で見つけたときには走り寄って手にとってしまった。
うすら寒くなるとベルギーやオランダ、ドイツ、オーストリアなどの、西のちょっと北の国々の旅の記憶が甦る。
ちょうど、その国々を旅していたときの気候が、こんな感じだったからだ。
その辺りで宿の朝食にたいがいついていたのがこのメーカーのジャムの使いきりサイズの小さなカップ。
だからこのジャムを見ると、知らない土地に身をおき、通じない言葉に苦労し、それでもみなぎる好奇心に掻きたてられ、そして楽しさと不安と疲労が入り混じる、そんな旅の最中の複雑な気持ちが再燃する。
近所のスーパーにあったのでちょっと買ってみた。
ラベルには日本語が印刷され、きちんと日本仕様になっている。
なんだか不思議な感じ。
国境がどんどん融合していく。このジャムが持つ意味も、私の中で変化してしまうのだろうか。