あれは1998年、3ヶ月間休職し、念願のヨーロッパ周遊に出かける時のこと。
高卒で就職してきたばかりの当時の職場の後輩が、
「私も一緒に行きたいけど行けないので、この子を連れてってください。これなら小さくて鞄にすぽって入るからいいと思って!ミフィーちゃんと一緒ならさみしくないですよ!」
と言ってくれたのがこのミフィー。
鞄ひとつの貧乏旅行、
荷物は紙一枚でも減らせという鉄則にしたがって荷造りに苦心している中、このミフィーはたしかにぬいぐるみとしては小ぶりだけど、旅に持っていくにはでかすぎる。気持ちはありがたかったが、一時途方に暮れた。どーしよー…。しかし、若い彼女が私の門出にと思案して贈ってくれたミフィーを置いていくわけにはいかないと思い、鞄のポケットに突っ込んで連れて行った。
たかがミフィー、されどミフィー。私と一緒にヨーロッパ諸国を旅した兵である。
今は部屋の片隅で、何を思っているのかな・・・。