NHKのテレビ講座なんて、結構みんな馬鹿にしがちだけど、案外よくできている。私が初めてイタリアに行ったのは1995年で、真剣にNHKのテレビイタリア語会話を見るようになったのは今から5年くらい前だろうか。それだけで実際イタリアの旅行ができているし、この春イタリア語検定4級に合格した。これは合格証。
番組も毎年構成や内容がレベルアップしていて、特に今年は実用的だし飽きが来ないようなイタリアの現地の情報を興味深く織り込んだ街や名所の紹介の中で文法が自然に学べるようになっている。
今年の生徒役はとよた真帆とエリックたまひら。ネイティブの先生役はモニカとマッテオ。2年前まではジローラモ・パンツェッタ'(ジロさん)が10年近く先生役だったが、最近はNHK以外にも活動の幅を広げていて、今年からはNHKイタリア語会話にはとうとうノータッチになってしまった。時代の移り変わりを感じている。
今年は、番組の前半がとよた真帆とエリックがイタリアに行ったときに使える簡単で便利なフレーズを教わりながら基本的な文法を抑え、後半はマッテオがボローニャの街とその近郊を取材、紹介しながら現地の人たちとの会話を通して中級の文法を学ぶ構成になっている。行ったことのある場所が映るのでなかなか楽しい。
今週は陶器で有名なファエンツァでの、マヨリカ焼きの工房からのレポートだった。焼き物好きの私としてはファエンツァは一度は行きたい街でありながら、まだ行っていない。伝統のある工房は、安い大量生産に押されてどこも経営が苦しく、伝統を大切にしながらも工房独自の新しい工夫が必要だと職人さんが話していた。ファエンツァをより楽しむためには、マヨリカ焼きのルーツや歴史も学んでおくといいかもしれない。ここのところ南に関心が向いていてちょっと忘れていたが、そうそう、北の方にもまだ行きそびれている街があるんだった。
今年はプーリアで来年はシチリアで、イタリアの南下の旅はひと段落、と思っていたけれど、やっぱりまだまだ終わらないかも。