神戸の出張の前日に京都で途中下車して、同じ学会に参加する後輩とスペインバルに行きました。
カウンターには定番の生ハム。目の前で店のご主人が切ってくれます。
最初はこんな感じで始まりました。
チョリソーの下は京野菜の青唐辛子だそうで、クセはなく味はすっきりしていておいしかったです。
焼いて熱くなった唐辛子の上でチョリソーの脂がとろけてこれまた旨いわけですよ。
サラダは一見黒オリーブと見紛うアメリカンチェリーの種抜きスライスがトッピング。こうなってしまうと意外となんだかわからない。甘味がサラダの邪魔をすることもなくみずみずしいアクセントになっていました。
ドレッシングはオレンジとレモンを合わせたなんとか…と説明されましたが、詳しくは聞き逃してしまいました。というか詳しくは説明していなかった。
暑い季節にピッタリの柑橘系のドレッシングはかなり味がしっかりしてて、他にもアレンジがききそうな感じ。その正体を詳しくききたかったです。
これは豚の血のソーセージ、プティファラ。
いやいや、「プティファラ」という単語そのものを、今まで忘れていました。そういえばバルセロナにいた頃、結構よく食べていたのですが、日本ではお目にかかりませんね、なかなか。
ちっちゃな卵との相性がたまりません。
最初は白ワインでしたが、この辺りから赤が我慢できなくなってきます。ところが不覚にもワインは写真を撮り忘れました。白も赤も個性的で美味しかったのですが、紹介できなくて残念です。
代わりといっちゃなんですが、これはしっかり撮って来ました。
見ての通りの日本酒です。
この
無圧しぼりっていうのは、圧力をかけずに自然にぽたぽたとお酒が滴るのを待つ絞り方をしたもののことだそうで、天にも昇るまろやかさは初体験。
文句無しで、これまで飲んだ日本酒の中で最もおいしい日本酒となりました。飛びぬけてます。
ごめん、「綿屋」よ。
ただ贅沢過ぎて、日常的に飲むにはいまひとつ。普段はやっぱりキリッと淡麗辛口がよいですね。
この贅沢な日本酒にすごくマッチしたのが、なぜかパエリア。
すんごく美味しかった。同じ米系だから合うのでしょうか。魚介の風味も日本酒のまろやかさと一緒になってふわっと口に広がり鼻に抜けるのがたまりませんでした。
早速この
英勲、ネットで検索してみましたが、季節ものの無圧しぼりはなかったし、ひょっとするとネット販売なんていう蛇道(?)な売り方はしていないのかもしれません。
こちらは牛の・・・ほほ肉(?)の煮込み。
クスクスとレンズ豆が添えてあって、クスクスの下になってしまって見えないのだけど、これとシナモンの風味をつけたかぼちゃのペーストが絶妙な組み合わせで旨かったです。
そして、今回最大の御馳走がごちら、イペリコ豚の炭火焼きです!!!
いやもう旨いのなんのって。ただのイペリコではありませんよ。おそらく相当いいやつです。
脂の滴る肉であるにもかかわらず、いくらでも食べられる!
これは、今まで私が生きてて食べて来たものの中でいちばん旨いと言っても過言ではない。
旦那の実家で正月に御馳走になった中トロといい勝負だがその上をいく気絶しそうな旨さ。
当分あの美味しい幸せを忘れられそうにありません。
後輩は私より一回り以上若く、お洒落なお店で贅沢する経験はまだあまりないようで、最初お店の雰囲気に緊張気味でしたが、イペリコ豚に至っては、「おいしい」「おいしい」「おいしい」の連発で瞳も輝いていました。
「こういうお洒落なお店のお料理をお家でも作るんですか?」ときかれ、
私は「そうか、ここはお洒落なお店なのか」と改めて思いなおし、若い頃、先輩が連れて行ってくれた素敵なお店の雰囲気にどきどきしていたことを思い出しました。
先輩ってオトナの世界で生きてるんだな―と思ったものです。
そうか、彼女もあんな感じなのかな? と、繰り返される時代に思いを馳せたりもしてみたり。
出張前の贅沢な寄り道でした。