かれこれ15年以上前になりますが、バルセロナに滞在していたころ、ひとりでバルセロナ近郊の街、ジローナに出かけて調子に乗って炎天下を歩きまわり、次の日から熱中症でピソで寝込んだことがありました。
その時、同行していた先輩がサン・ホセ市場で買ってきた冷たく冷えた果物を食べさせてくれたときの感動は今でも鮮明に残っています。
な、な、な、なんなんだっ、このおいし過ぎる果物はっっっ!!
と思って「これ、なんですか?」ときいたところ、先輩は「マンゴー。」と答えました。
そんな果物は、多分それまでちゃんと食べたことはなかったと思います。食べたことがあったとしても、旬ではなかったり、鮮度が悪かったりしたのだと思います。
よってあの日を、私は「初めてマンゴーを食べた日」と記憶しています。
以来マンゴーは大好きです。もちろん、新鮮でおいしいやつに限りますが。
ただ、マンゴー味やマンゴー風味の加工されたものはあまり好きではありません。マンゴープリンやマンゴーアイスやマンゴージュースではなくて、生のマンゴーがいいのです。
先日旦那の実家からマンゴーを頂きました。立派なマンゴーです。私は大喜びですが、旦那は「マンゴーなんて食ったことないよ。」と。
で、冷たく冷やして朝食に出しました。
おいしいマンゴーで、私は熱中症の記憶が呼び覚まされました。
旦那に「どうだった? マンゴー。」ときいてみると、
「うーん、旨かったよ。だけど…桃だな。」との返事。
「桃、好きなの?」
「好きだよ。」
「マンゴーと桃とどっちが好き?」
「桃かな。」
と、結局はマンゴーは桃に負けました。
私はマンゴーと桃を同じ目線で見たことはありませんでしたが、とろっとして甘い果物としては確かに同類かもしれません。
スイカが好きなのは知っていましたが桃が好きだとは知らなかったので、その後おいしそうな桃をひとつ買いました。ところが「食べる?」ときくと「今はいい」と言われ、そうこうしているうちに日がたってしまい、旦那が自分で切って食べるわけもなく、一緒に家にいる時間は短いので、旦那の留守中に私がひとりで食べることになりました。
以上、我が家のマンゴーと桃のものがたりでした。