2018年の映画だけど、こないだWOWOWでやってて録画してたのを観た。
豪華キャストで話題性があったわりにはヒットしなかったそうだが、公開してたときは、知らなかったか興味なかったか、宣伝見てたのに忘れてるか。
が、旦那に勧められて観てみたら、ものすごく心揺さぶられるいい映画だった。
話の筋は非現実的なんだけど、そこはあんまり重要じゃなくて、モロッコの映像を含めてひとつの「作品」として楽しめる。
既に5回以上繰り返し観てる。
そして、これは「お金」の話、かと思いきや、そうではなくて、「自分にとって大切なものは何なのか」の話。
お金じゃ買えないものもある、的な、よくある話で終わらない。
もっと、複雑な問題を、問いかけてくる。
登場人物として、高橋一生演じる古河九十九という青年が表現するものがモノスゴイ。
私の中にも、もともと古河九十九がいて、画面の中の古河九十九と共鳴する。
九十九は、何かの象徴のようにも感じられる。
きっと、この映画をいいと思った人は、多かれ少なかれ、自分の中に古河九十九がいるんじゃないかと思う。
表面的なネットの評判では、つまらない、話にリアリティがない、というようなのが多くて悲しくなるが、Twitterや Instagramに入っていくと、古河九十九に心掴まれた人は、世の中にちゃんとたくさんいる、という安心感が持てる。
そして、私は私が大切にしているものを再認識し、忙しくてないがしろにになっていたモノを見直した。そうしたら幸せ度が上がった。
モロッコを旅する回想シーンがまたよくて、若干、自分の、若い頃の旅路を思い出し、これまでの自分の歴史を自然と振り返った。
懐かしさと寂しさと、冷たい現実の中の人の温かさを感じながら、九十九に揺さぶられる2時間です。
何度観てもまた観たい。